『Quick Japan』95年3号 「いじめ紀行 第1回ゲスト 小山田圭吾の巻」 17

今回僕が見た限りでは、いじめられてた人のその後には、救いが無かった。でも僕は、救いがないのも含めてエンターテイメントだと思っている。それが本当のポジティヴってことだと思うのだ。

小山田さんは、最初のアルバム『ファースト・クエスチョン・アワード』発売当時、何度も「八〇年代的な脱力感をそんな簡単に捨てていいのかな」という趣の発言をしていた。これを僕は、"ネガティヴなことも連れて行かないと、真のポジティヴな世界には到達できない"ということだと解釈している。

でも、いや、だからこそ、最後は小山田さんのこの話でしめくくりたい。



「卒業式の日に、一応沢田にはサヨナラの挨拶はしたんですけどね、個人的に(笑)。そんな別に沢田にサヨナラの挨拶をする奴なんていないんだけどさ。僕は一応付き合いが長かったから、『おまえ、どうすんの?』とか言ったらなんか『ボランティアをやりたい』とか言ってて(笑)。『おまえ、ボランティアされる側だろ』とか言って(笑)。でも『なりたい』とか言って。『へー』とかって言ってたんだけど。高校生の時に、いい話なんですけど。でも、やってないんですねえ」



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